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自分の母親にインタビュー取材してリアルな記事を書いてみようと思って始めてみたら意外と楽しい話がたくさん聞けました。ピアノの先生として30年以上自宅で子供たちを教えていた母親ですが、どうゆう想いでピアノと向き合ってきたのか、インタビュー形式で取材を試みました。

ピアノは最初辛かった

---ピアノを始めたきっかけは?

母:幼稚園の年長の頃にお母さんに連れられてピアノ教室に行ったのがきっかけ。小学校の時は学校が終わって家に戻るとすぐに出発してバスで30分以上かけて通ってたの。

週に1回で、個人でやってたおばちゃんに個別レッスンで教わってた。確かその先生は95歳まで現役の先生として自宅で教えてたんじゃないかな?

---95歳って凄いね(笑)。いつまでそのスーパー先生に教わってたの?部活と並行して?

母:高校生までかな。中学はテニス部で3年間活動しながらピアノも。高校でもテニス部に入ってたけど、先生から「突き指が心配だから」って辞めるように言われて演劇部に入ったの。

演劇部では効果音とか、救急車の音をやったり、とにかく裏方の仕事ばっかりだった(笑)

---救急車の音って(笑)。部活を辞めるように言われるって厳しい先生だったんだね。

母:音大にどうしても入りたかったし、あなたにはピアノしかないって昔から周りに言われてたから仕方なかった。テニスを辞める事は素直に受け入れたし、でもやっぱり厳しかったかな。手を叩かれたり、トイレで泣いた思い出もあるから。

---そうゆう事もあったんだね。意外かも。

母:でもあれがあったから私は音大に入れたし、今もピアノの先生が出来てる。厳しいからこそ、あの先生の教室から素晴らしい生徒さんが世に出ていったんだよ。

---なるほど。最初にピアノの先生になったのはいつなの?

母:初めて自分で先生として教えたのは、22歳の時かな。大学は上京して東京の寮に住んだり兄と二人暮らししたりで過ごして卒業して盛岡に帰ったの。で、実家のグランドピアノを借りて近所の子供たちを教えてた。

---いきなり始めたんだね。何人くらい教えたの?

母:あの時は5.6人くらいかな?でも家でみんな集めてクリスマス会を兼ねた発表会をやったりしたんだよ。

---へー。凄い!楽しそう。

母:結婚して子供産んだのが25歳で、茨城に住んだ時も10人くらい教えてたよ。一人目の子(僕の兄)をおんぶしながら教えてたこともあったっけ?(笑)

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今も自宅でピアノを"楽しく"教えている。


口コミで子供たちが集まってきた


---おんぶしてやってたのも凄いけど、それ引っ越してなんで10人も集まるの?

母:近所の子供たちが来てて、そこから口コミだと思うよ。なんか自然に集まってた。

---それって凄くない?昔だとよくあったのかな。

母:知らない。何も宣伝とかした事ないし。チラシも作れないから。

---そうなんだ。で、その後は?

母:29歳で3人目を出産して、32歳くらいから2年間カナダに行ったよね。あなたはあんまり覚えてないだろうけど、カナダでも教会でピアノ弾いたこともあったよ。

---全く覚えてないけど、それも凄いね!外人さんの前で弾いたんだ!

母:今考えたらよく弾いたよね(笑)

---色々経験してんだね。

母:全然。お母さんの周りはみんな凄い事やってるからそれに比べたら全然大してことないよ。こんなこと取材してもつまらないでしょ。

---いや面白い。で、その後日本に帰ってからは?

母:横浜に戻ってからは、また何の告知もしてないけど、ご近所さんが集まってきて、最大で28人くらい集まったんじゃないかな?うん、28人だ。

---28人!?それも宣伝なしで口コミだけで?

母:うん。だって何もお母さんは出来ないから。口コミしかないでしょ。

---そうなんだ。何でそんなに集まったんだろうね?

母:うーん、よく子供からは「先生優しい!!」とか「褒めてくれるから好き!」とか「楽しいから早く来ちゃった」って言われたけど、いまいち理由は分からない。怒らないから良かっただけじゃない?

---何かモットーしてる事とか、教える上で大事にしてた事はあったの?

母:自分が幼いころに厳しくされて痛かったり、泣いてたり、嫌な思い出もあったから、子供は好きだし、とにかく「褒めて伸ばす事と楽しくやる事」は心掛けてたかな。自分の子はなかなか褒められないけど、他人の子はいくらでも褒められるの。

---子供大好きだもんね。

母:うん。子供大好きだよ。レッスンで一回もピアノ弾かないで生徒の悩み相談に乗った事もあったっけ?(笑)

---確かにピアノの音より笑い声が大きかったもんね。リビングにいてそれは思った。

母:楽しくやってくれたらそれでいいの。今はもう孫も産まれたからまた楽しくて、ピアノの回数は週2回に減らしてたまに入りたいって子も来るけど断ってる。今も6人の生徒が来てるけど、みんな大好きだし楽しくやってるよ!

---いつまでピアノの先生は続けるの?

母:元気なうちは続ける。65歳くらいまでは出来ると思う。趣味の延長だから、楽しくやらなきゃ。


楽しい思い出としてピアノを子供たちに伝えたい

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頑なに、自分の話はつまらない。普通だし大した事ないと言い張る母。

昔からめちゃくちゃ平和主義で争い事が大嫌い。人の悪口を言う事も聞く事も嫌う。

「とにかく楽しくピアノを教える!!」
「幼いころの嫌な思い出を子供にはさせたくない。」

決して自慢したり自己主張をしない母だけど、そんな強い想いが今回の取材でかなり伝わってきました。

口コミで子供が集まる理由がやっと分かりました。

普段の会話だけでは聞けない話がインタビュー形式だと聞けるし話せる。コミュニケーション方法としてはまた面白い新しい手段なのかもしれないですね(笑)


母 プロフィール
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1958年生まれ。青森県生まれ岩手県育ち。5歳からピアノを始め、小・中・高でもレッスンに通い、志望校の国立音大に合格。上京し大学生活の4年間をピアノと共に過ごした後に、岩手県の実家で先生としての活動を始める。結婚し茨城、カナダ、横浜など転々とする生活が続くもピアノと子供はいつも傍にいて、最大28人の生徒を抱えた事も。57歳になった今でも自宅で子供たちの「ピアノの先生」として輝き続けている。