角掛さん

今回インタビューさせて頂いたのは、インターネットストラテジー代表の角掛健志(つのかけ・たけし)さんです。元々ぼくが勤めていたゴルフ工房にお客様として来られていた角掛さん。今ではプライベートでも仲良くさせて頂いてますが、今回の取材を通して角掛さんの新たな一面をみることができました。

まじめに会社に行くのが嫌で独立を決意

角掛さん

---角掛さん、本日は宜しくお願いします!

角掛さん:はい。宜しくお願いします!

---今は独立されて、WEBマーケテイングやコンサルティング、講演と幅広く活動されてる角掛さんですが、これまでの経緯を聞かせてください。

角掛さん:まず最初に就職したホテルでは、フランス料理のウエイターをやってたんだけど、とにかく残業がやばかった。月に200時間以上とか当たり前。(笑)

1日の平均勤務時間が18時間とかだったもん。睡眠は2,3時間あればよかったかな。

---それ、身体が持たないですよね。

角掛さん:うん。半年で体重が10キロ落ちたから、これはさすがにやばい!と思って辞めた。まあ、ひと昔前の話だからそんなこともあるでしょ。

そっからショベルカーの組み立てやったり、中古車販売の仕事したり、覚えてないくらい色々やったかな。

---そこからなんで独立の道を選んだんですか?

角掛さん:もっとお金が欲しいとか、上司の理不尽に耐えられえないとか。いろいろ理由はあるけど、まとめるとまじめに会社行くのが嫌だったから。(笑)

指示出されてもズレてることあったら上司にすぐ指摘しちゃうし。会社にとってはそうなった経緯や事情を無視して余計なことを言う奴はうっとおしいでしょ?正論ならいいってわけじゃないからさ。

---なるほど。まじめに会社に行くのが嫌だったって、どストレートですね(笑) 今の仕事を簡単に言うと?

角掛さん:簡単に言えば、ホームページを作る人。プロデューサーであり、コンサルもやる。

---WEBの仕事を選んだきっかけは何ですか?

角掛さん:昔のバイク仲間に「WEB儲かるからやろうぜ!」って誘われたから。不思議なことにいつも俺のターニングポイントは、自分が動く前に誰かから声をかけられてるんだよね。

---そこも大きなターニングポイントだったんですね。

角掛さん:そうだね。フリーランスでユニットを組んで始めてみたら、それが割とうまくいって、「じゃあこのまま法人化しましょう!」って法人化したんだよね。たしか7人くらいで。

そしたらね、だれも会社のマネジメントスキルを持ってないっていう大きな問題が発生して(笑)

みんな枠の中で動くスキルがないから、会社にしたら急に全員動きが鈍くなって、雰囲気も悪くなるし、全然売上上がらないみたいな。(笑)

月に1回、2回ミーティングをするんだけど、毎回暗い雰囲気でね。

---どうしてそこまで暗い雰囲気になったんですか?

角掛さん:会社にするとみんな肩書きがつくでしょ。会社だし肩書きつくと、どうしてもピラミッド型になるし、それで窮屈になったんだろうね。

で、これ以上は手元の資金じゃ無理!ってなって、延命するか畳むかで決断しなきゃいけない場面で、畳む方を選んだ。

その時はさすがに人とはもうやらない!って思ったよ。

角掛さん
昔は金髪。

---でも、今は会社もあって、人と仕事してますよね?

角掛さん:大人になったんだよ。(笑)

あの時は若くてパワーもあるし、一番いきがってる歳だったからね。

---今の会社はどういう経緯でまた人と一緒にやることになったんですか?

角掛さん:「副社長やってよ!」って言われたから、「うん。いいよ!」って。

---いや、軽いですね!(笑)

角掛さん:うん。(笑)

最初の会社をたたんでから、一人になって、企画と進行管理以外は全部外部パートナーと組んで仕事を回してたんだけど、ギリギリまでクオリティーを高めることが難しくて。

人と顔を突き合わせてやったほうが仕事のクオリティーは上げやすいだろうなって思ってたからね。

今回は元々ある会社だし、前みたいに急に人間関係がギクシャクすることもないかなって。

相手との温度感を合わせたいからギリギリを攻める


---角掛さんて、いつも人の話をうまく聞き出せてると思うんですけど、それってなにか意識してやられてるんですか?

角掛さん:意識してやってないから正直よくわからない。独立するといろんな人と会う機会ってすごく増えるでしょ。今までは会社っていうコミュニティーの中にいたから、会話はほとんどが同じ会社の人。

でも独立すると急に色んな業種の人と話をする機会が増えたり、なんだか知らない社長が目の前に5人いたり(笑)

そんな環境にいるうちになんとなく身についちゃったって感じだと思う。勝手にだよホント。いつの間にかついてたパターン(笑)

角掛さん

---その力を自覚したのっていつ頃なんですか?

角掛さん:どうだろ。今そうやって高松さんに言われて、「あーやってるかも。」ってなるけど自覚はないかな。

でも、いつもその人のギリギリを攻めるっていうのはやってるよ。(笑)

その人はどこまで突っ込んでいいんだろう?って。会話の中でたまに小ネタをズンて入れて、顔色みて、顔色よかったらもう一歩突っ込んでみたり。(笑)

---その人を知るためにですか?

角掛さん:知るっていうのもあるけど、一番は相手との温度感を合わせたいから。

相手は気持ちよく喋ってるけど、自分は気持ちよくない。同じように自分は気持ちよく喋ってるけど、相手は気持ちよくなさそう。これって、温度感が合ってないからだよね?楽しくないじゃん!

---よく人のこと見てますよね?

角掛さん:そうだね。意識して見始めたのは、独立して仕事がマーケティングになってからかな。よく覚えてないけど、何かに影響されたんだと思う。「人をよく見ろ」って何かの本に書いてあったんだよ。心理学の本は、4,5冊は読んだかな。

「俺の人生つまんなかったな」「昔の方が良かった」なんて言いたくない


---勉強熱心ですよねホント。角掛さんの仕事のスタンスってどんな感じですか?

角掛さん:ノッたときにとことんやる!

基本マーケテイングとか企画の仕事が多いから、やっぱりアイディア勝負のとこがある。気分がノッてないとアイディアは浮かばないし、机でぼーっとしたりする時間はもったいない。ノッた時は人の3倍以上の勢いでやってると思うよ。

---角掛さんて仕事もそうですが、遊びも全力ってイメージがあります。

バイク
昔からバイクが趣味。

角掛さん:そうだね。明日死ぬかもしれないし、いつ死んでも「俺の人生つまんなかったな」って思いたくない。「昔は良かったな」なんて言いたくないし、思いたくもない。

そうなると、来月からやろうとか、来年からやろうって考えはなしになる。だって明日生きてる保証はないんだから。

---本質ですね。よく仕事と遊び(プライベート)の切り替え、ONOFFはちゃんとやれよって話がありますが、その概念はなさそうですね。

角掛さん:ない!仕事も遊びも一緒。寝てる時はOFF、起きてる時はON!(笑)

仕事してる最中に、あの遊びやりたいなって思い浮かぶこともあるし。遊び仲間と話してる時に仕事のアイディアが浮かぶこともあるし。

身体動かしてる時は頭がうまく回るんだよね。

カヤック
最近はカヤックにハマる。

---Facebookでの更新が頻繁ですよね。

角掛さん:暇だからね。(笑)

まぁでも、自由な時間が多い人のほうが仕事は頼まれやすい。だって、普段からもSNSでも「忙しい忙しい」って言ってる人に、「遊び誘おう」とか「仕事頼もう」って思わないでしょ?

暇そうにしてる方が遊びも誘われやすいし、仕事も頼まれやすいから、なるべく暇そうにしてる。本当に忙しすぎるときはFacbookの更新がなかなかできないけど。(笑)

---ソーシャル上で意識してることは他にありますか?

角掛さん:ソーシャルでもぜったい嘘はつかないこと。これは人に対して誠実でいるために。

挨拶はちゃんとする。
時間は守る。
嘘つかない。

これって、人として当たり前のことでしょ。意識してるというよりは、普段からモットーにしてるからソーシャルでもそれが表れてるだけ。

ゴルフ
ゴルフも趣味。

相手に気持ちよく働いてもらわないといい仕事は出来ない


---以前、角掛さんと馬術関係のホームページで一緒にお仕事させてもらいましたけど、本当に仕事がしやすかったです。何より返信が毎回はやくて本当にびっくりしました。

角掛さん:独立して相手からメールを放置されることが度々あったけど、待ってる間って「なんか俺失礼なことしちゃったかな?」「大丈夫かな?」とか色々考えて悶々とするでしょ?

自分がそれと同じような状況を作る事で相手に変に考えて欲しくないし、不安に思わせないためにも即レスするようにはしてる。ややこしい内容ですぐに返信できないときはLINEやメッセージで「ちょっと調べて連絡します」って一言入れるようにしたり。

やっぱり相手に気持ちよく働いてもらわないと、お互いにいい仕事はできないからね。

---この記事のせいで、角掛さんめちゃくちゃいい人になっちゃいますけど大丈夫ですか?(笑)

角掛さん:それは困るね。(笑)

---ところで、なんで坊主なんですか?

角掛さん:天パーがコンプレックスだったからさ。「わかった!毛がなかったらいいんじゃね!?」って思いついて。独立してからずっと坊主。毎年、年末はスキンヘッド。大掃除の一環で「よし。ふけも毎年大掃除しよう!」って。

---(笑) 角掛さんは人生をめちゃくちゃ楽しんでるように見えます。

角掛さん:人生すごい楽しいよ俺。生まれ変わったら、もう1回自分やりたいもん!いや、2,3回は自分やりたいな。(笑)

お客さんには消費ではなくて、投資をしてほしい


---仕事で一番大事にしてることはなんですか?

角掛さん:お客さんは、角掛健志に仕事を頼んでるわけで、個人事業主でやってても、会社でやってても、「角掛さんどうですかね?」って指名なのよ。その期待を絶対に裏切りたくない。

お客さんには、消費じゃなくて、投資をしてもらいたい。って話を毎回する。

もっとホームページをシュッとしたい。すっきりしたいとか。これって何かを生むわけじゃないでしょ?

ホームページを直すことによって、お客さんに利益リターンがないと絶対にだめ。だから「ホームページちょっと綺麗にしたいんだ!」って依頼は基本受けない。ウチは数字が出ない仕事はやらないスタンスだから。

---すごくわかりやすいですね!

角掛さん:払ってもらった金額以上の見返りがお客さんにないと、仕事として成立してないからね。その話をした上で仕事をするから、毎回ヒリヒリして楽しいよ。(笑)

「ネットショップの売上を伸ばしたい!」
「営業に使える問い合わせ件数を増やしたい!」

こんな相談をもらって、「それじゃあ、顧客層の分析をしましょう!」それが見えてきたら「そこに合うキャッチコピーをつけましょう!」とか具体的な提案ができてくる。

---その提案に大事なのはセンスですか?

角掛さん:磨いてきた能力とちょっとしたセンスだと思う。8割9割は勉強で、1割くらいはセンス。

勘のいいやつってたまにいるけど、ちゃんと今までのデータを分析してパターンを読んでるから、勘がいいってなるわけで、別に最初から天才ってわけじゃない。

努力する才能があって、今の仕事が自分に合ってればその能力は発揮されるよね。

でも、その仕事が好きじゃないといくら努力する才能があっても力は発揮されない。

角掛さん

好きじゃないことはやめろ


---今日はありがとうございました!

次が最後の質問です。最近、生き方や働き方で悩む人が多いと感じてるんですが、悩んだり迷ったりしてる人に向けてメッセージをお願いします。

角掛さん:こちらこそありがとうございました!

メッセージか。「好きじゃないことはやめろ!」だね。うん。もちろんそう言われてもすぐにはできないっていうのもわかる。経済的事情もあれば、悩みすぎて周りが見えなくなってたりね。

ただ、本質的に好きじゃないことはやめたほうがいい。

好きじゃないことを続けて悩むって自分にとっても良くないし、組織からすれば好きでもなんでもないことにずっと悩んでる人がいるだけで迷惑だからね。

そうは言っても簡単には割り切れないだろうから、自分一人で抱えてないで、まずは友達に愚痴ったり、相談すればいいと思う。

友達に愚痴ってる時に本質が見えてくることもあるから。信頼できる上司がいるんだったら上司と話をしてもいいし。

人と話してれば、「こう変えたら楽しくなるんだー」って見つかる場面も出てくると思う。

仕事も遊びも、いろんなことにヒリヒリしてれば人生楽しいと思うよ!


---インタビューを終えて---

ゴルフ工房でお客様と工房スタッフという関係で話をしていた時も、人生を心から楽しんでる人という印象でしたが、こうしてストーリとして形にしてみると、より人生を深く楽しんでる人だなと感じました。

「温度感を合わせたい」
「あえて暇そうにしてる」
「メールの返信を早くする」
「相手に気持ちよく働いてもらいたい」
「お客さんの期待を裏切りたくない」

この言葉の背景には、いつも相手への気遣い想いやりがベースにあります。

仕事も遊びも全力で楽しめてる大人はカッコいいと、改めて感じさせて頂けたインタビューとなりました。



角掛健志(つのかけ・たけし)
角掛さん
WEB屋さん。ホームページリニューアルサービス、インターネットストラテジー代表。プロデューサーだけでなく、執筆活動やセミナーでの講演、経営コンサルティング、企画立案や設計を行う株式会社ウィターの取締役副社長、ECコンサルティングを行う株式会社ウォークスコミュニケーションズ取締役COOを務めるなど精力的に活動を続けている。