最新のマーケティング手法として注目されているクラウドファンディング(通称クラファン)。初日で目標金額の200%達成という快挙を成し遂げたRYOMA FLOWERS(リョーマフラワーズ)について、開発者の西澤良磨さんにお話を聞いてきました。
RYOMA FLOWERS(リョーマフラワーズ)・・・オーダーメイドスーツ【RYOMA】ブランドが本物の花で創ったフラワーピンズ。2016年12月6日からスタートしたクラウドファンディングで、初日に目標金額(100万円)の212%を達成。2017年1月末までプロジェクトは続く。
クラウドファンディング=夢を叶える予約販売サイト
---まずはクラウドファンディング目標金額達成おめでとうございます!
西澤さん:ありがとうございます!支援頂いた方々、応援して頂いた方々に感謝しかないです。本当にありがとうございます。プロジェクトは1月まで続いてるので、まだまだ頑張らないといけないですね。
---いきなりド素人な質問になってしまいますが、クラウドファンディング(以下:クラファン)ってそもそも何なのか?小学生にもわかるように教えて頂けますか?(笑)
西澤さん:わかりました!(笑) クラファンは、夢を叶える予約販売サイトと思えば解釈しやすいと思います。基本的な意味としては、Crowd(群衆)とFunding(資金調達)の造語なんですけど。
日本での一般的なクラファンの解釈って、寄付を募る場所とか、お金を集める場所とか、投資的な認識を持ってる方が多いと思うんですけど、実際テレビやネットの通販(ECサイトのアマゾンや楽天)と変わらないんですよ!それが受注生産になっただけで。
自分で考えたアイディアに対して、面白い!いいね!って共感した人がサイトページからコースを買って、最終的に目標金額(損益分岐点)に到達すれば、それを元手(資金)にモノを作ったり、プロジェクトを始めることができます。
今回の僕の場合は、モノ(フラワーピンズ)ですけど、モノ作りだけじゃなくて、社会復興、映画作り、町おこしとか色んな事にチャレンジしてる人もいますよ。
---わかりやすい説明ありがとうございます!今回はMakuakeというAbemaTVやアメーバブログなどを運営するサイバーエージェントのクラファンサイトでしたが、他にもサイトはいっぱいあるんですか?
西澤さん:はい。他にもかなりあるんですけど、それぞれの特徴を調べてみて、僕はMakuakeさんを選びました。
---なにが違うんですか?
西澤さん:特化してる箇所が違います。例えば、人材紹介会社だったら、ウチはエンジニアが得意ですとか、ウチは看護師が得意ですとか、特化してる分野ってありますよね。クラファンにも、スポーツに強い、社会貢献に強い、プロダクト・モノ作りに強いとか、それぞれ強みが分かれてるんです。
---その中でなぜMakuakeだったんですか?
西澤さん:Makuakeさんの場合、まずモノ作り(プロダクト生産)のプロジェクトが多くて、かつ大元がサイバーエージェントさんなので、広告の部分がめちゃくちゃ強いというのも特徴です。
あとは伊勢丹だったり、銀座の東急プラザ内のHANDS EXPOだったり、リアルで手にとって見れる場所も用意されてるのがMakuakeさんの他にない強みです。今後まだまだ伸びていくクラウドファンディングサイトだと感じたので、Makuakeさんに決めました。
Makuakeの展示品が並ぶ伊勢丹新宿本店。
(参考記事↓)
クラウドファンディング徹底比較|資金調達に役立つサイト50選!
コンセプトは、本物の花を胸元に
---今回のフラワーピンズ(RYOMA FLOWERS)が伊勢丹新宿本店で展示されることも決まったんですよね。
西澤さん:そうなんです。1月18日〜31日まで本館の2Fで展示されます。是非リアルで見て欲しいなと思います。
伊勢丹新宿本店 本館2階で展示されている。
---婦人館ってことは、基本的には女性がメインの商品なんですか?
西澤さん:いえ、今回はたまたま婦人館なだけで男性でもオシャレにつけれます!もともとスウェーデンでは男性が女性にプロポーズする時に12本の花束を渡すという習慣があって、女性の返事がYESであれば、そのうちの1本を男性のジャケットの襟穴に挿し入れてたんです。
それが歴史なので、もともとは本物の花を挿してたんですよ。だからその襟穴のことをフラワーホールって言うようになったそうです。今でも結婚式で新郎のフラワーホールに花を挿しているのは、その名残りなので。
---そういう歴史があったんですね!
西澤さん:日頃からフラワーホールに本物の花を挿すのは何もおかしくないし、すごくオシャレじゃないかな?って思ったんです。あ、ラルディーニっていうイタリアブランドは知ってますか?ここの花形のブートニエールからヒントを得たんですけど、街歩いてても本物の花を付けてる人はいないなと思って。
※ブートニエール・・・上着の襟穴に挿す飾り花。
(参考記事↓)
ラルディーニが人気の理由
失敗して心が折れそうになるも、13度の試作品を経てようやく完成
---本物の花を商品化しようと思ったのはいつなんですか?
西澤さん:今年の7月に、HAND MADE FESTIVALへ行く時の電車の中で思いつきました。本物の花だったら自分が欲しい!ってまず思って。
しかも、女性ってなぜだか夜景とお花にめちゃくちゃ反応しますよね。ワンポイントとか隠れた所のオシャレさにもかなり反応しますし。そういう意味でも女性からとてもリアクションがいいんです。
だからこうやってワンポイントで付けてると、女性は「オシャレだね」ってすぐ反応してくれますし、さらに「本物の花だよ!」って言えばさらにリアクションはいいです!だから男性の方もGood!!なんですよ。(笑)
---話を聞いてたら僕も付けたくなってきました!(笑) でもこれ、繊細な花を商品化するまでにかなり苦労されたんじゃないですか?香りとか色落ちとか、枯れることもあるだろうし。
西澤さん:そうですね。13回の失敗を重ねてようやく出来ましたから。
HAND MADE FESTIVALにお花の専門家の方がいたので、電車で思いついたことを相談したのが始まりです。具体的な話し合いが始まったのはそこからでした。
話し合いから何度も試作してみたものの、湿気に弱いし、当たったらすぐパラパラって落ちちゃうし、服への色移りとか色々問題がでてきて。正直途中で、(コレできないんじゃないかな?)って思いましたね。
でも諦めずお互いにちょっとずつアイディアを出し合って、1個ずつ問題をクリアしてきました。
左:発案者の西澤良磨さん 右:製作者の知地貴美香(ちじ・きみか)さん
---お花自体はどれくらい持つんですか?
西澤さん:使い方によりますけど、1,2年くらいは持つと思います。プリザードフラワーなので枯れないですけど、冬は乾燥もするのでちょっとずつ傷んできますし、日の光に当たれば退色はするので。スーツとか、服と一緒ですよね。
10種類の色もあるので、服や場所に合わせてローテーションして大切に使って頂ければ、さらに長持ちすると思います。
色は10種類から選べる。
CMでは人物は老いるが、花は枯れないことを表現している。
クラファンのお陰で、今後起業がしやすくなる
---もう1回クラファンの話に戻りますが、今アメリカでもかなり流行ってると聞きますし、今後ビジネスの主流になりそうですね。
西澤さん:これは僕の見解ですけど、今後めちゃくちゃ起業がしやすくなると思います。スタートアップの会社にありがちなアイディアはあるけど資金がないという問題を解決してくれますから。
アメリカでのクラファンは日本の先を行っていて、もはや一種のブランド化してます。「その時計どこで買ったの?」って聞かれたら「クラファンで買ったよ!」って答えればそれだけで価値だそうです。資金調達金額も日本と比べて10倍くらい差がありますから、ものすごい可能性を秘めてますよね。
次世代のネットとリアルを駆使した最新のマーケティングだと僕は思ってます。
---資金不足という1番の悩みが解決されるわけですもんね。
西澤さん:はい。ホント共感型のサービスですよね。僕の友達は海外の情勢を取材します!と資金を集めてました。
支援の引き換えに、帰国したら支援者とランチしてそこで情報提供したり、レポートを提出したり。こんなやり方で資金を集めることもできるんですよね。
初日で200%達成にMakuakeがざわつく
---クラファンの初日達成ってなかなか珍しいんですか?
西澤さん:初日達成はあっても、初日200%達成はかなり少ないってMakuakeの担当者の方に聞いてます。ここ(5階)から何百人かにボール投げて、たまたまキャッチするくらいの確率ですかね。
初日で30%行けば、成功率が88%っていうのは聞いてたんですよ。でも「初日で100%いったらどうなるんですか?」って聞いたら担当者の顔色が変わったんです。
「100万単位のプロジェクトで初日達成はなかなかないけど、いないことはない」と言われたので、いるっちゃいるんだったら200%やりたい!って思ってそこを目標に設定しました。
---200%やると決めてからの具体的な行動は?
西澤さん:まずは自分が花をつけて商品自体への周りのリアクションを見たり、とことん人に会って皆さんに伝えてましたね。クラファンのことや想いを。とにかく「初日が重要なんです!」ってストレートに伝えてました。(笑)
---もし達成しなかったらどうしよう?っていう不安はなかったんですか?
西澤さん:100%はできるって確信はあったので、全く不安はなかったですね。ノルマをクリアすればプロジェクト自体はまず成功なので。
そもそもノルマと目標は違うと思うんですよ。今回の場合、ノルマ(1月末まで)が100万で、目標は初日200万。100%は行ける数字(ノルマ)で、200%はちょっと頑張らないといかない数字(目標)で設定したので。
---初日で212%という数字を達成したときの気持ちは?
西澤さん:正直ホッとしました。(笑) 有言実行ができたので。支援してくださった方々の期待にも応えられましたし、「勇気をもらった。ありがとう!」という言葉も頂けました。
---Makuake側の初日200%達成のリアクションはどうでした?
西澤さん:まず、「爆速」って言われました!(笑) 「Makuakeがざわついてました」って言われたのは嬉しかったですね。
僕の人生自体のテーマがそうですが、今回のクラファンのプロジェクトページにも、証明し続けるって書いてたので、また一つの証明が出来て良かったです。同じ金額を達成するにも、初日の200%達成はこれだけ周りのリアクションが違うんだって事を実感しました。
---まさに有言実行で、証明してますね。今後のリョーマブランドが楽しみです!今日はワクワクするお話を聞かせて頂いてありがとうございました!
西澤さん:こちらこそありがとうございました!まだクラファンは続いてるので、満足せず引き続き頑張らないといけません。
ブランドを確立させて世界最強の寄付財団を作って世界を変える!という夢の為にも、またさらに加速していきたいですね。
情熱、想い、努力、行動力があれば誰でも夢や目標を叶えられるんだ!という事を自分を通してまだまだ証明していきます。
言葉に力を込める西澤さん
(RYOMA FLOWERSへの支援はこちらから)
↓
スーツのオーダーメイド【RYOMA】が作る本物の花で創られたフラワーピンズ
(前回のインタビュー記事)
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カスタムメイドスーツ「RYOMA」を立ち上げた西澤良磨さんの想い
左:インタビュアー&編集:高松隆太 中央:西澤良磨さん 右:カメラマン:鈴木毅樹さん
i'mprove RYOMA
〜男は一生かっこ良く 女は一生綺麗で〜
RYOMAブランドのロゴ。左上にある「i'mprove」は、improve=改善する prove=証明する を組み合わせた造語。「自分自身をよく磨き、改善していくことで証明する。」という意味が込められている。
HP:http://custom-made-suit-ryoma.com
西澤 良磨(にしざわ・りょうま)
株式会社NISHIZAWA代表取締役。オーダースーツ「RYOMA」ブランドを立ち上げ、自ら開発した本物の花で創ったフラワーピンズはクラウドファンディング初日で200%達成という快挙を成し遂げる。夢は「ブランドを通して世界最強の寄付財団を作り、世界を変えること」
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