
本日ご紹介するのは、コミュニケーション英語塾「グロバリ(グローバルイングリッシュ)」を運営する女性起業家の川崎歩さんです。
塾で英語を褒められて嬉しかった
---子供の頃はどんな子でしたか?
川崎さん:泥まみれで遊んだり、とにかくやんちゃでしたよ!(笑) かなり純粋で、知らない人にも挨拶するような子でした。
例えば、小学校の下校途中に元気よく通りすがりのおじさんに挨拶したら、友達に「あの人知り合いなの?」って聞かれて「ううん、知らないよ?だってみんなに挨拶しなさいってお母さんが言ってたもん!」って言い返していたのを覚えています(笑)

幼少期の川崎歩さん。
---かなり純粋で、活発な子だったんですね。
川崎さん:自由奔放な親の影響だと思います。「服汚れる遊びはだめなんだよ、って友達が言ってたー」って母に言うと「ウチには洗濯機があるから大丈夫だよ!」って言ってくれて。(笑)
その言葉に甘えてとことん汚して遊んでました。「自分がしたいことをやりなさい。」ってよく言われましたね。
でも母からは「自由には責任があるんだよ!」ともよく言われてました。
---自由には責任...いい言葉ですね。中学時代もやんちゃだったんですか?
川崎さん:これはオフレコですけど...最初だけ...はい。(笑)
あんまり周りには言ってないですけど、学校さぼったり、夜遅かったり、親に怒られて携帯取り上げられたりしてました。

---意外です(笑)
川崎さん:でも、2年生の冬に「塾に通いたんだけど一緒に行かない?」って友達に誘われて、近くの塾に無料体験で行ってみたんです。最初にマーク式のテストを受けました。そしたら「英語できるね!」って先生に褒められて、それが嬉しくて。
その時、(あれ私、勉強できるのかも!?)と素敵な勘違いをしました!(笑) マーク式だったのでまぐれだったんですけどね。それから、親に「わたし塾入りたい!」って言ったら、最初は拒否されました。(塾なんて高いし、勉強したいなら自分で頑張ってやってみなさい)、と。でも一回も休まずに真剣に通います、って約束をして、ようやく入れてもらいました。真剣さが伝われば、わかってくれる親でした。
---よっぽど褒められたのが嬉しかったんですね。
川崎さん:はい。自分の知らない世界が楽しかったですし、褒められたのがホント嬉しくて。だからその頃から英語は頑張りましたね。
頑張れた理由も、もう一つあって、当時母が仕事で忙しく、学校行事や授業参観にも来れない程でした。
中3の夏の三者面談の時に、私の成績がほぼオール5になり、母が喜んでくれ、ご褒美に服を買ってくれたんです。(あ、成績上がると喜んでくれるんだ!)って気がついて。
それでまた火がついて勉強するようになりましたね。一生懸命働いて塾に通わせてもらえているから、それ以上に一生懸命勉強して、喜んでもらいたいな、と。
---中学途中から落ち着いたんですね。
川崎さん:そうですね。高校は普通に過ごした高校生活って感じでした。いい子でもなくやんちゃな子でもなく!(笑)
でも変わらず英語の勉強には力を入れていたので、大学受験の時は、英語が使えて、海外の方とも話せる国際系の大学を目指してました。
そしたら「そんなに海外とか英語英語って言うなら、国外の大学行った方が早いんじゃない?」って、突然母が!(笑)
---親御さんが選択肢を広げてくれたんですね。
川崎さん:はい。でも「海外行っても日本では就職先ないよ?」とか、周りにネガティブなことも言われましたけど、行きたい気持ちが強くなりました。
中学、高校の勉強で英語得意!と自信は持っていたので、海外に行けばきっと楽しいんだろなぁとワクワクした気持ちでした。
毎晩半泣きだったアメリカでの2ヶ月間
---楽しくなりそうなアメリカでの大学生活ですね。
川崎さん:この流れではたしかに。(笑)
実際は違いました。行きの飛行機の中で英語が聞き取れないですし、到着しても現地の人の英語がなんにも聞き取れなくて...自分の話したいことも喋れない。もう頭まっ白でした...
家族も友達もいないし、とにかく不安しかなかったです。着いて早々にもう日本に帰るしかないって思い始めて...
半泣き状態で、毎晩日本への帰りの飛行機を検索していました。
学校が同じだった日本人の先輩にも、廊下で会う度に「あゆみちゃん、いつも泣きそうな顔してるよね!」って言われて、(うわー私の不安感ばれてるんだー)って。(笑)
---不安な気持ちが表にも出てしまってたんですね。
川崎さん:はい。それでアメリカ着いてから1ヶ月後くらいに母に電話したんです。
「もう、どうしよう。わたし何にもできなくて悔しい....」と、自分が挫折しそうなことを正直に話したら、普段は厳しく、やり始めたことはやりきりなさいと言う母が「1年でいいからいなさい!旅行気分でもいいから!1年間楽しめるように考え直してごらん」って言ってくれて。
ここから考え方が少し変わりました。4年先の卒業は(4年制大学)長くエンドレスに感じていたので、1年だったらすぐじゃん!と、気持ちがだいぶ楽になりました。
---お母さんの一言は大きいですね。
川崎さん:その時のわたしにはとても大きかったですね。また、わたし英語を間違えるのが怖かったんです。日本では英語ができると思っていたのに、実際は話せず、聞き取れない自分が恥ずかしく、誰かと話していても、完璧な英語を話すことばかりに集中して、相手のことを知ろうともしない会話ばかりでしたね。
自分が信頼できる友達もいないし、居心地悪いなぁと思ってたんですけど、結局自分でその環境を作ってしまっていたことにも気が付きました。
---そこから学生生活が楽しくなっていったんですか?
川崎さん:いえ、実はまた大きなキッカケがありました。その1ヶ月後くらいに私の誕生日があったんですけど。
どうせ祝ってくれる人いないだろうな・・・と思って、1人静かに過ごそうと考えてました。かなり暗いですよね。(笑)
友人からのサプライズ、母からの言葉が大きな転機に
---今の川崎さんからは想像つかないですね!
川崎さん:ですよね。(笑) その日は夜の授業が終わって帰ろうとしたら「一緒に帰ろう!」って友達に誘われたんです。それで一緒に帰ることになったんですけど、途中で「忘れ物しちゃったから、そこの建物に入っていい?」って言われて。
「いいよ!」って言ってその建物のドアを開けたら、私がアメリカで出会った友達(アメリカ人や韓国人)がみんないて。みんなでケーキやプレゼントまで用意してくれてて、私を喜ばせるためのサプライズを盛大にやってくれたんです。

その時(あっ、私は今ここで生きてるんだ!この瞬間、この場所で、この人たちと生きてるんだ!)って。やっと目が覚めました。ここにいる癖に日本だったら、、、、、って思ってるのはつまらないなよなって。
ここで思いっっっ切り生きよう!!やりたいことやろう!!!と決めました。2ヶ月かかりましたが。(笑)
---でも2ヶ月で決められて良かったですよね。そのサプライズは人生で大きな転機になりそうですね。
川崎さん:はい。そのサプライズがあってから徐々に英語は間違えてもいいから、友達を作ろう、仲良くなろう!って思うようになりました。別に今の恥ずかしさに集中しなくていいや!って。
それまではリベラルアーツ学部に入ってたんですけど、コミュニケーション学部に移って、スピーチやプレゼン、伝え方、聞き方だとか、緊張についての心理学なども学びました。
コミュニケーションは決して生まれつきのものではなく、後から付けられるんだとわかりました。
---だいぶ積極的になってますね!
川崎さん:はい!どうせ頑張るなら早く大学卒業したいと思ったので、計画的に単位計算して、結果的に2年半で卒業ができました。
---サラっと言いましたけど、2年半で卒業って中々できないですよね?
川崎さん:中々できないかはわからないですけど、その当時はその大学初って言われてました。
---初ですか...なんでそれが出来たと思いますか?
川崎さん:早く卒業すれば、学費を抑えられて親の負担が減ることも知ってたので頑張れました!あと、母から言われたんですよね。
1学期に取る単位が普通なら15くらいなんですけど、わたしは22単位程取ってたんです。そんなに取れるかな、って母に相談したら、
「忙しくないとどうせダラダラしちゃうでしょ。やれないって感じてから考えなさい。まずはやってみること!」って言われて(笑)
---「洗濯機あるよ」だったり、「国外行けば?」だったり、「1年でいいよ!」だったり。ここまで親御さんの言葉は全てターニングポイントになってますね。
川崎さん:そうですね...いつもその時の自分に合った言葉を選んでくれてるんだと思います。

左:お母さん 右:川崎さん
「あれ、英語教えるの楽しいじゃん!」と気付き行動行動行動
---徐々にストーリーが繋がって来ましたね。続きを聞かせてください。
川崎さん:ありがとうございます!
卒業して日本に帰ってきてからは、留学関連のバイトをしながら就活をしました。国際的な政府系団体に就職が決まって2年間働きました。
---辞めたキッカケは何かあったんですか?
川崎さん:働いてる時に、友人の紹介でNPO法人の代表の方と繋がりができたんです。その方から「カフェで英語を教えてほしいんだ。英語を学びたい人を集めたカフェ会を開くから1人500円でやってほしい!」と言われて。
始めてみたら、今度は「マンツーマンレッスン受けたい!」と言われ始めて。わたし、英語を教えるつもりなかったんですけど、皆さんが喜んでくれるのを見て、(あれ、英語教えるの楽しいじゃん!)って。しかも皆さんの抱えてる悩みが、あの時アメリカにいた自分と一緒だという事に気がつきました。間違えることを恐れて、なかなか話せない、ですね。
それからは教えるためのスクールに通ったり、正社員のうちに色々やれることやってみよう!と気合満点でした。池袋で会議室を貸していただいて、週に1回英語の交流会やセミナーをやってみたり。英語朝活も定期的にやりました。
神奈川に住んでると移動の時間も勿体ないし、都内に引っ越してみよう!と1部屋に6ベッドもあるシェアハウスに住み始めて。狭いので、自分の居場所はベッドの上だけ(笑)
---よくそこに住もうと決めましたね!
川崎さん:会社の前後に活発に動いていたので、朝から夜まで家にいなかった私にはちょうどよかったんです。寝るところさえあれば。(笑)
---なるほど(笑) 親御さんは心配しなかったですか?
川崎さん:やりたいことしなさい!って(笑)
---お母さんらしいですね!笑
川崎さん:はい(笑) でもそんな活動をしていくうちに都内に友人も増えてきて、ご紹介もいただいて人脈も増えたと思います。
独立してからは、子供向けの塾や、海外の方向けの専門学校でコミュニケーションや英語を教える非常勤講師をさせていただいたり。全部が本当にご縁になっています。
今はまだ個人事業主なんですけど、フリーで色んなところからご契約をいただきながら、「グロバリ」というコミュニケーション英語塾を運営しています。
英語の本質は、コミュニケーションをとること
---グロバリのサービスについて教えてください。
川崎さん:簡単に言えば、英語コミュニケーションを学ぶ場所です。英語というよりはコミュニケーションですね。YouTube会員7万人のアーサー先生がオンラインでコミュニケーションの大切さを教えてくれていて、実践的なトレーニングやイベント(オフライン)は私の役割です。
英語は、使ってみて初めて気づきが生まれ、使い方を慣れていきます。知っているとできるは違うので、知るための塾ではなく、できるためのトレーニング塾です。例えば、ある単語がわからなくても、説明やジェスチャーで相手には何を伝えようとしているか伝わります。日本人は単語をすぐ辞書で探そうとするんですけど、結局のところ答えなんてないんですよ。辞書に出た言葉を言っても、伝わらないことも多いですし。
1+1の「2」を言わなくても、1+1を伝えれば相手が「2」を取ってくれる。そんなイメージです。
---なるほど!そう言われると気持ちが楽になりますね。グロバリの受講対象者を教えてください。
川崎さん:今は、日本人の社会人限定でやっています。受講して、出張のオファーが増えた方もいて、「今までは英語英語と考えていたけど、英語というよりコミュニケーション。相手とつながることを意識し始めたら、言えない単語を説明できるようになりました!」と、とてもうれしい報告も頂いています。

---完璧な英語を喋ることがゴールじゃないんですね。
川崎さん:そうです!みなさん通訳や翻訳の仕事を目指してるわけじゃないですからね。本質はコミュニケーションで相手と繋がることですから。
---グロバリという塾を作ったキッカケを教えてください。
川崎さん:東京中もっと大きくみなさんの悩みがなくなればいいな!と思ったんです。自分の経験から、「英語が不得意」というレッテルを取り外したい。だって間違えるのは当たり前ですから。
私の過去を振り返ったら、すべて点と点が繋がっていたことに気がつきました。大学どうしよう?と悩んでいたら母の一言でアメリカの大学に行け、落ち込んでいたら友達がサプライズをしてくれて、日本に戻って来たら「英語教えてー」と出会った人に言ってもらって。何より日本に生まれたということで、自分の点を繋げて、日本で貢献したいと感じました。
英語で悩みたくない!海外の方と仲良くなりたい!自分の価値観を広げたい!と思う方のお役に立てればいいなと思ってます。
自分で選んだ道を正解にする
---今後の夢や目標はありますか?
川崎さん:オセロみたいな感じで、日本人の英語の悩みが英語の楽しみにひっくり返っていくイメージが理想です。全部「白(楽しみ)」に変わっていくような。
そして、コミュニケーション(繋がること)を通して、自分の人生が変わっていく。そんな流れをまずは東京!そして日本へと広げていきたいです。
---一つ一つの質問に丁寧に答えて頂いてありがとうございます。最後になりますが、日本の悩める若い方にメッセージをお願いします。
川崎さん:こちらこそありがとうございました!
メッセージですか......はい!
悩むことは悪いことじゃないと思いますけど、悩めるということは、それだけ時間の余裕があるのかもしれません。
もし時間があるなら、子供の頃好きだったことをもう1度思い出してみたり、今の趣味で人脈を作ってみたり、まずは行動してみることが一番だと思います。
それが仕事に変わることもあるわけですから。
悩んでもいいと思いますが、今やってる仕事、目の前にある事を徹底的にマスターしてみる!とか、できることはいっぱいあると思います。
わたしは、正社員を辞めるのに悩んでいた頃、ある経営者さんから言われた一言があります。
「正解はない。君の選んだ道を正解にするだけだよ!」
今でもその言葉を大切に、自分の進んだ道を自分で「正解」にすればいいんだと、胸に刻んで生きています。
最終的には、結局自由と責任になりますね!(笑)
川崎 歩(かわさき・あゆみ)

米国4年制大学を2年半で準主席で卒業後、政府系団体の仕事に従事。2015年8月に独立。プライベート英語レッスンや企業、短大、英語コミュニケーション講師を務める。大臣通訳や国際的な会議でのキーマンを務める若き実力者。実践的コミュニケーション英語塾「グロバリ」を都内に開講、現在拡大中。
★「グロバリ」ルール
・ミスを恐れない。間違いを恐れない。日本語にだって間違いある。間違いは当たり前!
・今、この瞬間を楽しもう!プロセスを楽しもう!
・英語ではなく、コミュニケーション!あくまで英語はツール。
グロバリ Facebookページ
https://m.facebook.com/globali.tokyo/