レアーレ

サッカーを通して、努力、忍耐、考える力、イメージする力、協力、継続することの大切さ、成し遂げる力を身につける。子供たちの心とコーチの一人ひとりが向き合い、大人とこどもが成長していける場でもあるFCレアーレ。今回は活動拠点の静岡県伊東市で取材をさせて頂きました。 

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練習前、練習後は綺麗に整列。

ネパールにも兄弟チームを持つ静岡県伊東市で活動するFCレアーレ。

代表の三好彩さんは、伊東市にあるフェアトレードとオーガニックのお店「ロロシトア」の店長を務めながら、FCレアーレの代表を務めています。

今回の取材は、5月に一度お話を伺う機会を頂けたのですが、熱い想いを聞いているうちに「これはレアーレというチームをこの目で見てみたい!」と、急遽伊東市での取材という流れに至りました。


〜取材開始〜


たった一つのボールからレアーレが始まった


---どんな想いから、FCレアーレというチームは始まったんですか?

彩さん:まず、ロロシトアのフェアトレードがベースにあります。

ロロシトアが、自然と共存しながら次世代のためにできることを、できるところから活動していきたいという想いから始まったので、

サッカーというスポーツを通して人生を学んで欲しいという想いから始まりました。

どんな環境の子どもでも、チャンスがすべての子どもたちに与えられるように、月謝を頂かずにスタートしたので、ロロシトアでの売上は、FCレアーレや世界中の子どもたちの活動に充てています。

---サッカーを通して、レアーレを通じて学んでいけるチームなんですね。

彩さん:はい。レアーレワールドという家族として対等なイコールの価値観をみんなで学んでいきたいと考えています。

人は学びあえる関係というのがベースにあるんですが、伊東市では習い事をしてる子どもが少ないんです。

それは遊ばせる大人が少ないからというのも理由の一つで、ゲームをしたり、知識ばかりを入れて、子どもたちが実践から学んでないようにも感じていました。

そこで、夫が校庭のグラウンドを借りて自分の子供を集めてサッカーを始めたんです。

毎週土曜日に練習をするようになったら、それを近くで見てた子どもたちが2人、3人、4人と参加するようになって、

ボール一つだけで仲間がどんどん増えていきました。

---広告などをしたわけではなく、連鎖的に自然に増えていったんですね!

彩さん:そうですね。それが地域の人にも口コミだけで伝わっていったんだと思います。

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---今は何人くらい仲間になったんですか?

彩さん:レアーレは、小学校1年生から中学校3年生までのチームなんですけど、今は全部で80人くらいです。

---80人ですか!もうそんなにいるんですね!?

彩さん:はい。もともと小学生までの予定だったんですけど、

今の中学校3年生の子どもたちが中学に上がる前に、「レアーレでサッカーを続けたい」と言ってくれたんです。他の中学校やクラブチームがあるのに。

子どもたちがそう言うなら、これは応えるしかないな!と受け入れることを決めました。

---子どもたちからなんですね!活動は、どれくらいの頻度なんですか?

彩さん:月火水木金が練習で、土日が試合です。

---毎日ですね!(笑)

彩さん:そうなんです(笑)。これも子どもたちがやりたいと言ってきたので、応えようと。

コーチたちも日中は仕事をしているにも関わらず、毎日のように協力して頂いてます。

交通費も毎回お支払いしようとするんですが、「グラウンド代に使ってください」と、一度も受け取ってもらったことがないんです。


「なんでお金を取らないの?」という素朴な質問を受ける


---皆さん本当に協力的なんですね。変な質問かもしれないですけど、月謝を無料で始めてみて、難しいことはありましたか?

彩さん:そうですね。生活保護を受けてる家庭もあるので、どうしても受け入れたいと思って無料で始めたんですが、

6年やってきてみんなの感謝の気持ちがだんだん薄くなってきてるように感じました。

そんな時に、コーチをしてくれてるネパールの選手(サントス・シャフカラ)から

毎日活動してグラウンド代もかかってるのに、なんでお金を取らないの?」と言われたんです。

「お金なくても、子どもたちはコンビニで好きなもの買ってるじゃないか」

「親もタバコ買ったり、パチンコに行ったりしてるじゃないか。」と、指摘を受けたんです。

彼の出身地でもあるネパールの価値観では考えられないことが多々あったと思うんですよね。

そんな彼の純粋な指摘もあり、みんなで考えた結論として、今年からNPOとして活動していくことを決めました。

これは、保護者の方とレアーレで協力して、子どもたちの練習場所をしっかり作れるように、

大人たちが今まで以上に子どもたちのことを考えられるようにと、

NPOのサポーターとして年会費6千円を頂く形になりました。

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コーチが量販店で買ってきたシャツにFCレアーレと文字を入れたユニフォーム。これを子どもたちが少し上乗せしたお金を自分たちのお小遣いからチームに払ってるという。少しでもレアーレの為になればという子どもたちの想いが感じられます。

---無料だからこその難しさがあったんですね。お金を頂くことになって、いざ保護者の方々からの反発はなかったんですか?

彩さん:それは一切ありませんでした。みなさん本当に協力的で、「今まで応援の仕方が分からなかったから良かった!」って言って頂いたんです。

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右:FCレアーレコーチ、サッカーネパール代表のサントス・シャフカラ選手。
(参考記事↓)
ネパール代表FWサントス、浦和・柏木から地震激励ユニ


「レアーレがやってるからウチもやろう!」という変化が起きた


---皆さん協力したかったけど、わからなかったんですね。チームの運営においては難しいと感じることはありますか?

彩さん:はい。コーチ同士も、それぞれが想いを持って本気でやっているからこそ、ぶつかり合うことがあります。

その時は、陰で言わず、直接話し合うようにしてますが、なんだかんだやっぱり大人が難しいですよね。

勝ちを追求しすぎるのはどうなんだろ?という議論にもなります。

サントスからは「試合に勝つことを考えないでどうやって成長するの?勝つためにどうするか。

チームは家族なんだから、一致団結して、やる姿勢を持たないといけないよ
」という言葉をもらいました。

---人間関係の難しさだったり、勝つことと人間教育を両立させる難しさがあるんですね。

彩さん:そうですね。

だからと言って、サッカーが強ければいいわけじゃないと思うので、レアーレはコートからボールが出たら走って取りに行くことを習慣としてます。

道具を大切にする。挨拶をする。相手の気持ちを考える。

当たり前のことを当たり前にできるチームにしたいと思ってます。

でも、チームは最初すっごく弱かったんです。16対0で負けることもありました。

あれはサッカーの試合のスコアじゃなかったですね(笑)

だから最初はみんなに笑われてたんです。

「レアーレっていうチームは弱いくせに挨拶は大きいよね。」

「弱いくせにボールを全力で取りに行くよね。」って。

でも強くなってくると周りの雰囲気が変わってきて、

最近は他のチームも、「レアーレがやってるからウチもやろう!」と、

元気よく挨拶したり、コートから出たボールを全力で取りに行くことを真似し始めたんです。

その時に強いって大事だなと改めて感じました。

例えば、スペインのバルセロナがやってることって、子どもたちは真似するじゃないですか?

レアーレが当たり前のことを当たり前にできるチームになって、強くなって、その真似が広がっていけばいいなと思います。

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練習を見守る三好彩さん。

周りの方々の"やさしさ"でレアーレは生きている


---いろんな難しさと向き合って、少しずつ変化が表れ始めたんですね!今日は貴重なお時間を頂けて、熱い想いを聞かせて頂いてありがとうございました!

最後になりますが、これだけは言っておきたい、残したいメッセージはありますか?

彩さん:こちらこそありがとうございました!

メッセージは、そうですね。日本だけでなく、世界中の価値観を交換していきたいです。

人の意見をちゃんと聞いて、自分の考えをクリエイトしていける子どもたちが、

感謝、努力を持ち合わせて、困難こそ前向きに捉えることができる大人に成長していってほしいと思います。

ただ、このチームは本当にみなさんのサポートがあってこそのチームです。

周りの方々の"やさしさ"が、FCレアーレを作ってるんです。

FCレアーレは"やさしさ"で出来てるんですよ!!


〜取材を終えて〜

・子どもたちから「練習をもっとしたい」と言ってきた。

・子どもたちが「もっと強くなりたい」と言ってきた。

・チームが強くなり、それが派生して伊東地区の子どもたちの行動にも広がってきた。


その背景には、子どもたちからの発信、変化を大切にしている大人の存在があるんだなぁと強く感じました。

また、彩さんと話してて印象に残ったのは、

レアーレは煙たい存在かもしれないけど....」という言葉です。

中学生のチームがJFAの登録がまだできてない現状に、「早く試合をさせてあげたい...」ともどかしそうに話していた時に出た言葉でした。

周りに嫌がられることはわかっていても、納得がいかないから発言したり行動する。

この原動力の背景にあるのは、いつでも子どもたちの存在なんだと思います。

レアーレはやさしさで出来てるんです」という言葉の意味が、随所に感じられた取材となりました。



最後に、取材に協力してくださった三好彩さん、コーチの方々、子どもたち。

そして貴重なご縁を繋いでくださった多田さん、FCレアーレの活動を支援されている皆さん。

本当にありがとうございました。

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最後は全員で挨拶。


FCレアーレ
レアーレ
参考リンク↓
サッカー懸け橋 ネパール地震の救援貢献 伊東の少年クラブ
(静岡新聞)

facebook:NPO REALE WORLD

HP:http://www.realeworld.com


LOLO Sitoa (ロロシトア) 
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フェアトレードとオーガニックのお店。
LOLOSITOA(ロロシトア)は、ツバル語で、LOLO=ココナッツミルク、SITOA=お店 という意味。

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住所:静岡県伊東市大室高原1-466 
電話番号:0557-51-5227
定休日:不定休

参考リンク→「伊豆さんぽ
facebook→「ロロシトア(LOLO Sitoa)

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